今日は少し昔話をしたいと思います。クロとの出会いについてです。10年ほど前に遡ります。


失業と引っ越し

それまで勤めていた会社を辞め、失業中の身でありながら、妻と二人で知らない土地に引っ越しました。頼れる人など誰もおらず、この先どうなるのか、生活していけるのか、借金を返していけるのか、不安に飲み込まれそうになりながらの生活でした。希望など何も見えず、足元ばかりを見つめていました。地に足がついていない感覚で、足元を見ていないと自分がちゃんと立っているのか、歩けているのかさえわからない状態でした。

どうにか見つけた仕事は夜勤の仕事。夜、家を空けなければならず、妻は一人で心細くて仕方がなかったことと思います。


黒いノラ猫

そんな折、大きくて黒い猫が、コソコソと家の周りを歩いているのを見かけるようになりました。玄関近くまで来ることもしばしばです。

そこで妻は、猫エサ用のカツオを買ってきて、この黒猫を家に招き入れることにしたのです。
ヘンゼルとグレーテルの白く光る小石のように、小さくちぎったカツオを、我が家に向かうように点々と置いたのです。

クロ出会い1


結果は大成功!
玄関は開けっ放しの状態で、入ってきた黒猫にはキッチンで残りのカツオを食べてもらいました。食べ終わったあとはすぐに、そそくさと出ていってしまいましたが、仲良くなるために焦りは禁物です。その後、数日おきに我が家を訪れるようになり、ご飯を食べてはすぐ出ていくを繰り返し、徐々に心の距離を縮めていきました。

何日経っても姿を見せてくれないときには、不安になりました。事故に巻き込まれたんじゃないか、良くない人に捕まってしまったんじゃないか、悪い想像ばかりが先走ります。そんな思いを知ってか知らずか、何事もなかったかのように黒猫はひょこんと現れ、ご飯を食べてはまた出ていきます。そんなことを繰り返しているうちに、黒猫の家にいる時間は、少しずつ長くなっていったような気がします。


命名『クロ』

この黒猫が妻にとっても僕にとっても、どれだけ大きな癒しになったかわかりません。妻と僕は、この黒猫のことを『クロ』と名付けました。貧弱な発想力で笑ってしまいます。でも、ツヤツヤの張りのある黒毛が美しく、『クロ』以外に思い付かなかったのです。日の光を浴びると、その黒毛は銀色に輝きます。美しい猫だと思いました。写真映りはひどいですが…。

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段ボールハウス作戦

冬が近づき、朝晩の冷え込みが段々厳しくなってきました。妻の発案でクロの寝床を用意することにしました。暗くて狭いところが落ち着くだろうと思い、段ボールを切って貼ってして作りました。段ボールの中にはブランケットを入れて、クロが帰ってくる前には、湯タンポを使ってあらかじめ温めておきました。

最初は警戒してなかなか入ってくれませんでした。無理やり押し込んだところで意味はありません。ただ待つことにしました。数日後、ひときわ寒さが際立つある夜、帰ってきたはずのクロがどこにもいません。もしやと思い段ボールハウスを覗くと、その中でクロが寝息を立てていました。

クロ出会い2

妻にとって、どれほど愛おしかったことでしょうか。
その後もクロは、段ボールハウスで一晩過ごすことが増えていきました。


長くなりましたので、今日はこの辺にしておきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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